占い師の勇気
─ヒュンケルの光─ 夕食後、ヒュンケルはテラスで夜風に当たっていた。すると…… 「ヒュンケルさん?」 声のする方を向くと、メルルが顔を見せた。 「すまない、呼び出してしまって」 「い、いえ……それはいいんですが、私に話しがあるなんて、珍しいですね……」 メルルは少し警戒していた。ヒュン... 続きをみる
予感
─マトリフの懸念─ アバンはその扉をノックすると、相手からの応答の声を聞いて、扉を開けた。 「マトリフ、ずっとここに居たのですか?」 「おう、アイツは目を覚ましたか?」 ここは、パプニカ城の図書室。パプニカ王国が誕生した頃からの史書や代々の国王達が残したその当時の国内事情等を記載した文書... 続きをみる
朝
─大魔道士の目覚め─ ダイが空に消え、ポップに重症を負わせた黒の核晶(コア)の爆発から三日目の朝。アバン達は示し合わせた様にポップの部屋に集まっていた。昨日までに何度もこの部屋を訪れていたレオナ、メルル、ヒュンケルの他にもラーハルト、ヒム、クロコダインやチウの姿も見える。 そして、マァム... 続きをみる
蠢く闇の一族
─禁忌の者─ 「これは、どこに運ぶ?」 「あーそれは、こっちに置いといておくれ」 暗い暗い日の光りのない世界。灯りと呼ばれるものは、今は年老いた魔道士の女の杖の先に灯された魔法に頼るしかない。 「婆さん、とりあえず一通り言われたモノは運んだぜ」 男は老婆魔道士の指示通りに、多くの魔導... 続きをみる