出立
─醜い姿─ 翌朝早く、アバンとポップはレオナの執務室に向かって長い廊下を歩いていた。アポロから早朝からレオナが執務室で仕事をしていると訊いたからだ。 「それにしても姫さん、どうしてまたこんな朝早くに?」 「昨日までの姫ではないという事なのでは?」 アバンがそう言いながらアポロの方... 続きをみる
アバンのけじめ
─師との宵─ 夕暮れから夜の闇に空の表情が変わる頃、アバンはマトリフの岩屋に足を運んでいた。 「ポップ?いますか?」 入り口付近で中にいるポップに声を掛ける。 「ん?先生……?」 ポップが腰を上げて入り口に向かうとアバンが笑顔で待っていた。 「すいませんポップ………今、大丈夫で... 続きをみる
パーティーの閉幕
─遠ざかる背─ ランチでのワインの飲み過ぎにより控え室で寝息を立てているレオナを呆れてみていたマァムとエイミはアポロ、マリンと合流して仕方なくレオナ不在のダンス大会の準備を始めた。すると、そこにアバンが顔を出す。 「おや?レオナ姫はどうされました?」 「先生!」 マァムはアバンの問い... 続きをみる
ダンス大会
─勇気の一歩─ レオナ主催の復興とアバンのフェアウェルパーティーは中盤を迎え、日も高く登り今は皆が、それぞれ好みの露店でランチを楽しんでいた。そんな中でポップは一人、人気のない岩場で冴えない顔をしている。 グウゥ~ 「あ~あ腹へったなぁ……昨日のマァムのサンドイッチとキッシュ... 続きをみる
マァムとヒュンケル
─初恋と巣立ち─ メルルの占い道具を片付け終わり彼女も祖母のナバラのいる占い露店に戻り、アバンもパーティー会場に戻った頃、マァムはメルルと二人でいつか話をしたバルコニーのある部屋にヒュンケルといた。 「ごめんなさい……急に……」 「いや、構わないがどうした?何か悩み事か?」 ヒュンケ... 続きをみる