乙女の決意 Ⅱ
─宵の語り 二人─ 夕食後、食堂でメルルが配膳係と共に後片付けをしているとマァムが声を掛けた。 「メルルさん、私も手伝うわ」 「マァムさん!」 メルルは突然マァムに声を掛けられ驚いた。 「そんなに驚かなくても……」 「ごめんなさい、ちょっと考え事をしていたものですから……」 「考... 続きをみる
乙女の決意 Ⅰ
─占い師の朝と祝福の未来─ 朝食を取った後、レオナの言いつけ通りに睡眠を取って身体を休めたメルルは夕方近くに目を覚ました。しかし、ベッドに入ってからずっと頭から離れなかった事が目を覚ました今もまだ、メルルの中でモヤモヤと残っていた。 (マァムさん………ずっとポップさんの傍にいるのか... 続きをみる
王国ヘの帰還
─壊滅の傷痕と希望の女神─ ダイが空に消えた黒の核晶(コア)の爆発の後、最終決戦前に備えていた砦に一旦戻り、大戦後の疲れを癒していたカール王国の女王フローラは、その翌日の午後には共に生き残った配下の兵士達と既に魔王軍に破壊し尽くされ、廃墟となっていたカール王国城に帰還していた。 ... 続きをみる
戦士達の語り
─絆の空間─ ダイが黒の核晶(コア)の爆発により空に消えてから翌日の昼下がりの午後。かつての陸戦騎ラーハルトはパプニカ城から程近くの森に身を潜めながら、自身の武器である鎧の魔槍を懸命に振り回していた。早朝の日がまだ昇り切らない頃から、まるで何かに取り憑かれた様に槍を振るう姿はどこか悲愴... 続きをみる